就職活動は、学生から社会人へのステップとして非常に重要なイベントです。しかし、就職活動の進め方やスケジュールについて知らない学生も多いのが現状です。
本記事では、就職活動の全体像を把握し、自己分析から内定獲得までの一連の流れを理解できるよう、各ステップについて詳しく解説します。
就職活動を控えた学生の皆さんは、ぜひ参考にしてください。
就職活動の開始時期について
就職活動が本格化するのは、大学3年次の3月から。
この時期に企業の採用情報が一斉に公開されるためです。 3月を迎えると、各企業の説明会が開催され、エントリーの受け付けも始まります。
ただし、マスコミ系など一部の企業では、3年生の10月頃からエントリーを開始するところもあるので注意が必要です。
また、企業のインターンシップに参加したい場合は、さらに早めの行動が求められます。夏のインターンシップであれば6月頃から、秋冬のインターンシップであれば10月頃からエントリーが始まるのが一般的です。中にはもっと早い時期から申し込みを受け付ける企業もあるため、こまめに企業の就職活動サイトや就職情報サイトをチェックし、チャンスを逃さないようにしましょう。
就職活動の流れと進め方
就職活動は以下の10ステップで進めていくのが一般的です。
- 自己分析
- 仕事選び
- インターンシップ
- OB・OG訪問
- 選考対策
- エントリー
- 企業説明会
- エントリーシート
- 選考の流れ
- 内定獲得
1.自己分析
自己分析とは、自分自身をより深く知るために行う分析のことです。
採用選考では、就職活動生本人について問われることが多々あります。
例えば、履歴書の自己PRや長所の欄は、自分自身のことをよく理解していないと記入が難しいでしょう。また、面接では今までに取り組んだ活動や短所などについて質問されることもあります。
入念に自己分析を行い、履歴書の作成や面接の対策に役立てることが重要です。
2.仕事選び
自己分析や他者からのフィードバックを通して自分自身について深く理解した後は、企業研究を始めていきます。
企業研究では3つの観点から分析を行うことで、企業についてより深く知ることができます。
- 業界研究
- 企業研究
- 職種研究
一度の調査で終わらせるのではなく、新たに入手した情報も加えて継続的に研究を重ねることが大切です。新しい情報を取り入れることで企業理解がさらに深まり、面接での受け答えなどにも活かせるようになります。
3.インターンシップ
インターンシップとは、就職活動生に対して企業が就業体験の機会を提供する制度です。
業界・企業・職種への理解が深まるだけでなく、就職活動の予行練習としても活用できます。
インターンシップには1日で終了するものから1ヶ月以上続くものまで様々です。期間が短いものはセミナーや職場見学が中心で、長期のものは実際の業務を体験できることが多いです。
また、インターンシップへの参加が早期選考につながることもあるため、就職活動において非常に重要であることを理解しておきましょう。
夏インターン
インターンシップは、夏期と冬期の2種類に大別されます。
夏インターンは、大学3年生の6月から9月にかけて開催されるのが一般的です。 人気企業の場合、応募者が多いとすぐに定員に達してしまうこともあるため、こまめに企業の採用サイトや就職情報サイトをチェックしてください。
冬のインターン
冬インターンは、大学3年生の12月から2月にかけて実施されるインターンシップのことを指します。本格的な就職活動が始まる直前の時期であるため、企業が学生の能力を見極めるための内容になっていることが多いです。
4.OB・OG訪問
夏インターンが終了する8月や9月頃から、OB・OG訪問を始める就職活動生が増えてきます。OB・OG訪問に最適な時期は特に定められていません。 ただし、3年生の1月以降は本格的にOB・OG訪問を始める学生が増えるため、OB・OGの予定が埋まってしまい、思うようなスケジュールで進められなくなる可能性があります。訪問先の都合を考慮し、早めにアポイントを取るように心がけましょう。
5.選考対策
選考にエントリーする前に、選考対策を入念に行っておく必要があります。
特に重要なのは、企業に提出するエントリーシート(ES)と筆記試験、面接の3つの準備です。
エントリーシートの作成
エントリーシート(ES)とは、企業の採用選考で参考にされる提出書類のことを指します。
一般的に、志望動機や自己PR・ガクチカなどを記載します。 ESの形式や文字数制限は企業によって異なるため、応募先ごとに個別に作成する必要があります。
オンラインでの提出が主流ですが、手書きを求める企業もあります。
筆記試験対策
ESの選考を通過すると、次は筆記試験の段階に進みます。筆記試験の内容は企業ごとに異なりますが、以下のいずれかまたは複数が出題されるのが一般的です。
- 言語能力試験:語彙力、文章読解力など
- 非言語能力試験:計算力、論理的思考力など
- 英語試験:読解力、リスニング力など
- 時事試験:一般常識、小論文など
- 性格検査:業種適性、性格分析など
過去の出題傾向を分析し、試験の種類や内容を予測しておくことが大切です。
面接対策
筆記試験に合格すると、面接の段階に進みます。
企業によって異なりますが、以下の3つのタイプが代表的です。
- 集団面接:2~3人の学生を同時に面接
- グループディスカッション:数人のグループを作り、グループ内でディスカッション
- プレゼンテーション型面接:数人のグループを作り、特定のテーマでプレゼンテーション
集団面接は選考の初期段階で実施されることが多く、最終面接では1人の学生に時間をかけて面接が行われます。
服装やマナーは事前に入念に準備しておきましょう。 当日は落ち着いた気持ちで臨めるよう、忘れ物のないように気をつけましょう。
6.エントリー
大学3年生の3月頃になると、企業の採用選考情報が公開されるのが一般的です。受けたい企業を選んでエントリーを行います。
エントリーの数に決まりはありませんが、20社前後にエントリーする学生が多いです。
7.企業説明会
企業説明会とは、企業の事業内容や歴史、組織構造などの基本情報を紹介する、就職活動生向けのイベントです。会社説明会や就職説明会とも呼ばれます。
企業説明会では、職種別の業務内容や人材育成制度、キャリアパスなどのより詳しい情報も説明されることが多いです。説明会は1~2時間程度で終了しますが、直接質問できる機会が設けられることもあり、自分に合った企業かどうかを判断するのに役立つ情報が得られます。
1社のみの説明会とは別に、複数の企業の説明が聞ける合同企業説明会もあります。
8.エントリーシート
エントリーシート提出も、採用選考情報が解禁される3月以降に行うのが一般的です。ESは企業ごとに形式や提出方法が異なるため、準備は1~2月頃から始めましょう。
ESは採用選考の重要な資料となるため、丁寧に作成することが求められます。中には、ESと履歴書の両方の提出を求める企業もあります。ESは選考用の資料として、履歴書は入社前後の個人情報確認用として使われるため、内容が重複していても問題ありません。
また、ESの提出が不要で、履歴書のみを求める企業もあります。この場合、自己PRや志望動機を記載できるのは履歴書のみとなるため、通常以上に履歴書の内容を推敲して仕上げる必要があります。
9.選考の流れ
ESの選考を通過すると、企業から採用選考の案内が届きます。企業によって異なりますが、筆記試験は3年生の3月~4年生の4月、面接は4年生の4~6月に行われることが多いです。
面接は、まず2~3人程度の集団面接から始まり、数回の面接を経て最終面接へと進みます。企業によっては、グループ面接やディスカッション型の面接を実施することもあるため、適切な対策を講じておくことが大切です。
10.内定獲得
内定とは、企業側が採用を決定した状態のことを指します。
正式な内定通知は、大学4年生の10月1日以降に行われることが規定されています。そのため、多くの場合、10月以降に内定が伝えられます。企業から内定を出された際は、速やかに返信するようにしましょう。多くの企業で「内定承諾書」の提出が求められます。
内定承諾書には、入社の承諾や内定取り消しの事由などが記載されています。内定承諾書を提出すると労働契約が成立するため、しっかりと内容を確認することが重要です。
内定の際に内定式が行われることもあります。内定式も10月に実施されるのが一般的です。企業によっては、正式内定に先立ち、内々定を通知する場合があります。
内々定の連絡は、主に大学4年次の5月から6月頃に行われるケースが多いようです。 内々定は、10月に正式な内定を出すという企業側の意思表示ですが、 実質的に内定が確定するのは10月以降となります。そのため、内々定の段階では労働契約は成立せず、書類なども発行されないのが一般的です。
まとめ
就職活動のプロセスは、まず自己分析からスタートし、仕事選び、インターンシップへの参加、先輩社会人への訪問、選考対策、企業説明会への出席、エントリーシート提出、選考試験、そして内定獲得まで、一連の流れで進行していきます。それぞれの段階で入念な準備と対策を行うことが、満足のいく就職活動につながります。特に自己分析と企業研究は、早めに着手し、継続的に取り組むことが重要です。就職活動のスケジュールを意識しつつ、自分のペースでしっかりと進めていきましょう。
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